相続

家族同然のペットに遺産を残す 3つの方法|ペット信託・負担付遺贈・負担付死因贈与

自分の死後「大切なペット」がどうなるのかと心配される方も多いのではないでしょうか。

現在の日本の法律ではペットに遺産を相続させることはできません

しかし、ペットに遺産を渡せなくても、ペットの飼育のために遺産を残すことはできます。

今回はペットを飼っているあなたが亡くなったときに、安心してペットを託すことができる方法をご紹介します。

ペットに遺産を相続さすることはできない?

「主さまの生着替えを見て、前世の記憶を取り戻した会社員40代男性」の写真

アメリカでは多くの州で、飼い主の死後、ペットへ一定の財産を相続させる制度が認められています。

しかし、日本でペットは法律上「」であり、権利や義務の主体となることができません。

そのためペットに財産を贈与させることも、相続させることもできません。

たとえ遺言書に「愛犬○○に全財産を相続させる」と書いても、ペットに遺産を相続させることはできず、その遺言書は無効になります。

死後に安心してペット託す方法

「そこのリモコン取って(猫)」の写真

それでは、ペットに遺産を残すためにはどうすればよいのでしょうか。

そもそも、ペットに必要な財産を家族や親しい人に託すことに、こうしなければならないという決まりはありません。

お互いの合意があれば口約束でも構いませんが、あなたが亡くなったときに安心してペットを託すことのできる環境を作っておくことが大切です。



そのための3つの方法をご紹介します。

・負担付遺贈
・負担付死因贈与
・信託

遺言でする負担付遺贈

負担付遺贈とは、財産を受け取る者に一定の義務を請け負ってもらう見返りに財産を贈るというものです。

今回の場合では、残されたペットを飼育してもらう代わりに、飼育をしてくれた人に財産を残すというものです。

遺贈は、一方的に遺言をするだけでできるため、ペットの飼育を依頼された人がペットと財産の引き受けを断ることができる点に注意が必要です。

そのためペットを託したい人とは、あらかじめ遺贈の内容について合意しておくことをおすすめします。

またペットを託した人が、遺言で定めた通りにペットを飼育しているかを監視するために遺言執行者を定めておくとよいでしょう。

遺言書には「ペットを飼育することを条件に飼育に必要な財産を譲る」ということを書いておきます。

具体的には以下の内容を記載しておきましょう。

・誰になにを遺贈するか
・ペットの飼育方法
・遺言執行者はだれか

贈与契約を交わす負担付死因贈与

負担付死因贈与とは、財産を贈る贈与者と、受け取る受贈者が、生前から贈与内容について契約を交わすものです。

今回の場合では、「飼い主が死亡すれば、ペットの飼育を条件に、飼育に必要な財産を譲る」ということを決めておきます。

一方的に遺言する負担付遺贈とは違い、双方の合意が前提なのでペットと財産の引き受けを断られる心配はありません。

負担付死因贈与契約は口頭でもできますが、安心してペットを託すためにも書面で契約しておきましょう。

ペット信託

これまで負担付遺贈、負担付死因贈与契約という2つの方法を紹介しましたが、これらの方法では、必ずしも元の飼い主が満足するレベルでペットの飼育がされているか確認できません。

しかし、その心配も信託を利用することで解消することができます。

信託とは、ある目的のために第三者に財産を託し、その財産の管理を任せる仕組みです。

今回の場合では、ペットを飼育してもらうために信託機関に財産を託して、信託機関が新しい飼い主に財産を渡す契約のことです。

あらかじめ第三者である信託監督人を置くことで、きちんとペットの世話をしているか、信託財産がペットのために使われているかなど監視することができます。

この信託監督人にはペット信託契約書を作成する弁護士や行政書士、司法書士などが就任します。

信託契約であれば、飼い主が亡くなった後でも確実にペットの世話を頼むことができます。

ただし信託契約には契約を結ぶ際、弁護士や行政書士などの専門家に支払う費用や信託監督人を依頼する費用がかかりますので、無理のない範囲で利用を考えましょう。

まとめ

いかかだったでしょうか。

ペットに遺産を残すためには

・負担付遺贈
・負担付死因贈与
・信託


この3つの方法がありました。

負担付遺贈は遺言書でできますが、依頼された人がペットと財産の引き受けを断ることができるので注意が必要です。

負担付死因贈与は、双方の合意が前提となっているため依頼された人が引き受けを断る心配はありません。

ペット信託は、信託機関に財産を信託し、信託機関が新しい飼い主に財産を渡します。信託監督人を置くことで、確実にペットの世話を頼むことができますが、専門家に費用を支払う必要があります。

ペットを飼っている以上、ペットの方が長生した場合の備えをしておく必要があります。

飼い主が元気なうちに、家族とペットについて話し合いをしておくことがペットの幸せにつながるのではないのでしょうか。