遺言書の作成方法

自筆証書遺言の作成方法

自筆証書遺言とは、その名の通り自から手書きで遺言書を作成する方法です。

TVドラマや映画でみる皆さんに馴染みある遺言書は大抵これがあてはまるかと思います。

自筆証書遺言は、遺言者一人で作成できるため思い立った時に作成できます。

ただし、自分の考えをただ闇雲に書けばいいわけではありません。

遺言はその方式が民法において細かく規定されており、その規定に従わない遺言は無効となります。

自分が心を込めて書いた遺言書が無効になったら悲しいですよね・・。

遺言書がないために遺産を巡り仲の良かった家族が争いをすることだって珍しくはありません。

そのような事態にならないためにも、遺言書が無効にならないためのポイントを踏まえながら解説していきます。

遺言書作成のルール

遺言のルールを制す者は遺言書を制す!

遺言書作成のルールについては民法で細かく定めてあります。

このルールに従って遺言書を書いていくことが無効にならないための一番の近道だと思います。

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マッコ先生

まずは遺言のルールをみていきましょう!
民法960条に定めてあります

民法960条(遺言の方式)
遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。

くじらおくん

決められた方式があるんですね!

マッコ先生

ちゃんと民法にルールが定めてあるからこれに従わないと無効になりますということですヨ!

次に自筆証書遺書を作成するうえでの具体的なルールです。

ここが一番重要なポイントです

民法968条(自筆証書遺言)
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文日付及び氏名自書し、これにを押さなければならない。

くじらおくん

この5つのポイントを押さえておけば内容は別として形式上は有効ということですね!

マッコ先生

原則そういうことです
①~⑤それぞれのポイントを押さえ作成していきましょう

自筆証書遺言書作成のポイント解説!

自筆証書遺言はご自身で書いて作成します。(財産目録の添付を除く)

筆記用具の決まりはある?

筆記具については特に法律上の規定はありません。えんぴつ、ボールペン、万年筆などなんでもOKです。色についても規定がなく、必ず黒色で書く必要もありません。

ただし、鉛筆は注意が必要です。

消しゴムで消して簡単に内容を書き換ることができるし、時間の経過と共に文字が薄くなったりするので結果的に無効になるおそれがあります。

自分の遺言書を守るためにも鉛筆は避けて、ボールペン万年筆で書くようにしましょう。最近みかける消せるボールペンにも鉛筆と同様のリスクがあるため注意してください。

用紙は何を使う?

遺言書を書く紙についても特に法律上の規定はありません。

しわくちゃの紙でもスーパーのチラシに書いていいわけです。しかし、文字が不鮮明なって読むことができなくなり無効になる場合もあるので長期間保存することも踏まえて耐久性のあるきれいな紙に書くようにしましょう。

最初から終わりまですべての文を遺言者本人が書く必要があります。

夫婦で共同して遺言書を書いた場合は無効となります。他人に代わりに書いてもらっても無効です。

必ず遺言者本人が書きます

※財産目録を添付する場合、その目録部分については自分で書かなくもよくなりました。ポイント解説後に詳しく解説します。

いつ作成されたかを明確にするために
〇〇年〇〇月〇〇日まで記入します。

遺言書を書いたときに遺言能力があったのか判断や遺言書が複数出てきたときの前後の判断など(後に出てきた遺言書が有効)日付はとても重要な役割を担っています。

そのため令和2年5月とだけ記載されていたり令和2年5月末日などと記載されていた場合は無効となります。

日付は忘れずに必ず〇〇年〇〇月〇〇日まで書いてください。

遺言を書いた本人を特定するために記入します。

ペンネームでも書いた本人を特定することが可能であれば有効となります。
ただし本人を特定できなければ無効となるためご自身の名前を記入しましょう。

遺言を書いた本人を特定し、遺言者の意思に基づいて作成されたと予想できるために押印します。

実印である必要はなく認印拇印でもOKです。

遺言書の作成例

今までのポイントふまえて作成した遺言書です。

遺言書を作成する際は、上記の遺言書を参考にして作成していただいても、ご自身で一から作成しても構いません。ただし作成ポイントだけは、しっかりおさえて作成しましょう。

遺言書に財産目録を添付する|パソコンでもOK

財産目録とは、家、預貯金、自動車など、ご自身が所有する財産を一覧表にしたものです。

作成した遺言書に財産目録を添付することで、財産の全容がはっきりとし、相続人間の無用なトラブルを避けることができます

また財産目録を作成することにより、ご自身の財産を把握することができるので、財産目録を見ながら誰に、どの財産を与えるか検討することができます。

注意点として自筆証書遺言は、全文を遺言者本人が書かなければなりませんが、添付する財産目録については自書を要しません

そのためパソコン等で作成できます。

ただしこの場合、遺言者はその財産目録に署名をし、印を押さなければなりません(自書で財産目録を作成した場合は不要)

財産目録が数枚ある場合は、そのすべてに署名押印を要します。また紙の表と裏の両方に記載がある場合は、表と裏の両方に署名押印をします。

マッコ先生

遺言そのものは自分で書く必要があることをお忘れなく!

遺言書(目録書を含む)作成後の変更について

くじらおくん

マッコ先生!
遺言書を作成した後にやっぱり変えたいナァ・・と思った場合はどうしたらいいですか?

マッコ先生

そんな場合もありますよね
では最後に作成後の話についてみてみましょう!

民法968条(自筆証書遺言)
③自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

自筆証書の中で、その内容を加えたり、除いたりした場合やその他に変更したりする箇所があった場合は、

どこを変更したのか、その場所を記載し署名をする

変更した場所そのものにを押す

上記をしなければ変更の効力は生じません。

くじらおくん

変更したい場合は、きちんと変更したことを記載して署名をしなければいけないってことですね!

マッコ先生

そういうことですヨ

まとめ

マッコ先生

最後にもう一度内容を確認しましょう

  • 自筆証書遺言は手書きで書く必要があります。
  • 日付・署名・捺印は忘れないようにして下さい。
  • 財産目録については手書き以外のパソコンなどでも可能です。
  • 作成に変更したい場合は変更した箇所記載して署名しなければ効果は生じません。

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くじらおくん

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